左の赤い線と点

なんなんだろう。遅かれ早かれ、長くは続かないと思ってた。今まで好きになってきた男のタイプとは正反対だし、わたしの性格もあいつの前だと無理してたところもあったし、それなりに楽しい分、今はまだこのまま続きますようにって、そういう曖昧なスタンスで一緒に居た。だって、最初のキッカケだって、酔っ払ったあげく軽いノリでヤッっちゃってから「付き合う?」って感じだったし、あいつとわたしはそういうルーズさの中で繋がってたから、もし別れることになっても、大したことないと思った。去年の大晦日に知り合って、バレンタイン直前で終わった関係も、後からどんどん振り返ってみれば、ぜんぜん恋だったなぁ、って思ったんよ。なんかそれだけ、気付いたんよ、電話越しに「ばいばい、元気でね、今までありがとう」って言いながら。

元カノのことがまだ好きっていうあいつ
あいつに抱かれる体を換金してるわたし
半年前別れた元カノだって、最近まであいつに「会いたい」ってメールを送ってきてた
だから、もういいやって思った。どうでもいいやって思った。あいつが同棲恐怖症って言ってた意味を知ったのは昨日で、それはわたしとあいつの過ごした時間が短すぎて、浅はか過ぎただけだ。

父親の姿を追ってただけかもしれない。
もうすぐバラバラになる家族の代償として、支えて欲しかったのかも。
一緒にお風呂に入ったとき、まぁるくて、おおきくて、広い背中を見る度に、父親を連想してた。なんかほんとうにファザコンなんだよなぁ、わたしって。